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口のもつ機能は、食べること、呼吸すること、話すこと、表情をつくることなどです。いずれも人として生活していくうえでとても大切な基本的な機能です。そしてこれらは、子どもが成長・発達していくなかで、学習し獲得していくものです。
食べる機能を例にとれば、哺乳から介助食べ、手づかみ食べ、一人食べへと、口の発育や身体の成長発育に関連しながら、学習し、獲得していきます。乳児期から就学期までの子ども達は、まさにこの時期にあり、これらの基本的な機能をきちんと身につけていかななければならないとても大切な時期です。
食べたいものが快適に食べられ、明快に会話を楽しむことができ、美しい笑顔で笑うことができれば、同時に心も育むことになっていきます。
食べ物をよく噛むということは、単に食べ物を細かくするだけではありません。よく噛むことで唾液がたくさん出てきます。唾液には殺菌作用があり、体の抵抗力をつける酵素も含まれており、消化吸収も良くなります。また、口の中を自然にきれいにしてくれ、むし歯や歯周病の予防にもなります。唾液には味覚を敏感にする働きもあり、薄味のものを良く噛んで食べることで食べ物の微妙な味がわかるようになります。また、よく噛むことによりあごの骨も成長するので、噛めない・噛まない子は歯並びや咬み合わせも悪くなります。
よく噛むことにより、肥満を予防し、大脳の働きを良くし、集中力も高めて情緒の安定をもたらすことにもなりますので、よく噛む習慣を身につけましょう。
妊娠期間中から小学生頃までに、乳歯や永久歯(もちろん体も)が出来上がります。特にこの時期は、バランスの良い栄養の摂取が必要になります。そのためには、好き嫌いをつくらないようにしていくことも大切です。子どもの味覚は、大人の味覚とは違いますので、咬むことにより味が出る薄味の食べ物を与えていくと良いと思います。よく咬むと唾液がたくさん出てきますし、その唾液の中の酵素が食べ物をおいしくする働きもあります。薄味の食べ物をよく咬むことにより、子どものあごも成長し食べ方も上手になっていきます。意外と食べず嫌いの子どもが多いので、いろいろなものに上手に混ぜ込んだり、お母さんがおいしそうに一緒に食べることも大切でしょう。歯が出来上がる時期に、栄養バランスの悪い食事をしていると歯の質も悪くなり、むし歯になりやすくなってしまいます。
歯があることにより、食べ物を噛み切ったり、引き裂いたり、噛み砕くことがよくできます。そうすることで、顔やあごの発育を助けたり、顔の形を整えたりする働きもあります。乳歯があることにより、正しい発音も覚えていきます。
また、乳歯は永久歯を正しい位置に導く働きもあります。乳歯をむし歯にしてしまったり、早めに抜いてしまうと、歯並びや噛み合わせが悪くなります。
乳歯は生え変わるからと考えて、むし歯をそのままにしていたり、いい加減な治療しかしていないと永久歯にいろいろな悪影響がでます。ですから、乳歯を大切にしていかなければなりません。
乳歯を早めに抜いた時には、歯が寄らないように装置を入れる必要がありますので、お近くの小児歯科専門医院にご相談ください。
歯が生える前から、良く手を洗って歯ぐきを触ってあげましょう。そうすることで口に何かが入ってくることに慣れていきます。
歯が生えてきたら手入れを始めましょう。最初は下の前歯が生えてきます。慣れるまではガーゼで拭いてあげましょう。口の中を触られるのに慣れてきたら、歯ブラシを使ってみましょう。次に上の歯が生えてきます。上の前歯は最初にむし歯になりやすい歯ですから、ていねいに磨きましょう。
むし歯になりやすいところは、歯と歯ぐきの境目・上の前歯の裏側・歯と歯の間・奥歯の噛み合わせの溝です。歯と歯ぐきの境目を磨く時に上唇小帯(上くちびると歯ぐきの間にあるひも状のすじ)にふれるといやがる子が多いようです。歯ブラシを持つ反対側の手の人差し指で、しっかり上唇小帯を押さえて磨くと良く磨けます。仕上げ用の小さめの歯ブラシでくるくると小さな円を描くように歯と歯ぐきの境目を磨きましょう。上の前歯の裏側は、スプーンのように中央がくぼんでいるので、歯ブラシを細かく動かして磨きましょう。
ゴシゴシと磨くと歯ぐきにあたって、痛い思いをさせてしまいます。歯ブラシを微振動させるように、プルプルと動かすマッサージみがきなら嫌がりません。エンジェルタッチで磨いてあげるようにしましょう。
歯と歯の間に隙間がなく、くっついている場合は、デンタルフロスを使う必要があります。最初はホルダー付きのものが使いやすいようです。
むし歯になりやすいポイントをおさえて、手早く済ませるようにしましょう。歯みがきの歌を歌ったり、お気に入りの曲をかけたりしながら、笑顔で歯みがきしましょう。終わったら、「きれいになったね。よかったね。」とか「さっぱりして、気持ちよくなったね。がんばったね。」と忘れずにほめてあげましょう。
歯みがき剤は、基本的には必要ありません。小さな子は歯みがき剤の匂いや成分が刺激的ですので、嫌がることが多いようです。
歯みがきは時間にすればほんのわずかな時間です。子どもとの触れ合う時間と考え、たまにはお父さんにも歯みがきをしてもらい、楽しく、やさしく、毎日の習慣にしていきましょう。
右の図は、フッ化物のうがいを行った園と行ってない園の園児の永久歯を卒園児に比較したものです。
園児のむし歯が65%減少しています。
現在、日本ではむし歯予防としてフッ素のぶくぶくうがいを15万人の子供が実施しています。また、このむし歯予防による子供の体への影響や事故などの報告は全くありません。
フッ化物は自然の元素です。いろんな食品にも含まれています。(緑茶、わかめ、みそetc…)
病院で塗るフッ化物、家庭で使用するフッ化物を用いて効率的に使用します。
病院では、定期検診ごとにフッ化物を塗布します。
家では毎日、夜に歯みがきをした後に、決められた量のフッ化物洗口液で30秒以上ぶくぶくうがいをします。または、十分磨いた後、ジェル状のフッ化物を歯に塗り込みます。
※毎日続けることがフッ化物効果を高めるポイントです。
乳歯の形成は胎児期7週目から始まるので、乳幼児の健康な口腔を確保するためには、マイナス1歳からの、母親の口腔管理を含む指導が必要となります。生まれてくるお子様のために、いっしょに出来ることを始めてみませんか。
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